パターン

アロハシャツの絵柄やパターンには、素材やプリント方法との相性、そして時代的な移り変わりがある。アロハシャツ黎明期の1930年代に主流であったパターンが「オールオーバー・パターン」。 そのモチーフのサイズは年月を重ねるごとに徐々に大きくなっていき、1940年代後期になると、より派手なデザインとして「ボーダー・パターン」の作品が多く生み出された。そしてアロハシャツの最盛期である1950年代には、更に自己主張の強いデザインとしてシャツ自体が一枚の画のように見える「ホリゾンタル・パターン」が生まれ、米国本土では「バックパネル・パターン」や 「ピクチャープリント」など、より強烈なインパクトのあるデザインが作られるようになる。ハワイならではのミックスカルチャーを象徴する オリエンタル・デザイン(和柄)は、最初期のアロハシャツやオリエンタルブームが起こった1950年代に多く見られた。


ALL OVER PATTERN
(オールオーバー・パターン)

All Over Pattern(オールオーバー・パターン)とは、シャツ全体に一定の柄が繰り返し連続するデザイン。 「総柄」とも呼ばれ、生地の裁断や縫製の制約が少ないため、古くからスタンダードなパターンとなっている。

BORDER PATTERN
(ボーダー・パターン)

Border Pattern(ボーダー・パターン)とは、シャツの縦方向に柄が連なったデザインで、1940年代後半に登場し50年代に普及した。植物をモチーフにしたものが多く、レイを首からかけたようにも見える。

HORIZONTAL PATTERN
(ホリゾンタル・パターン)

Horizontal Pattern(ホリゾンタル・パターン)とは、 絵柄の上下を明確に表現したデザイン。名称は縦長の生地に対して横方向(ホリゾンタル)に身頃を切り出すことと、柄の中に水平線(ホライズン)があることに由来する。

BACK PANEL PATTERN
(バックパネル・パターン)

Back Panel Pattern(バックパネル・パターン)とは、背中全面を1枚の絵画に見立てたデザイン。裁断が制限されるうえ高度な縫製技術を必要とし、当時の生産数も限られていたため希少価値が高い。

PICTURE PRINT
(ピクチャープリント)

Picture Print(ピクチャープリント)は 転写技術が発達する以前、原版の写真をなぞるように網点で型を彫り、その上に色を重ね刷りして写真のように見せている。熟練の技術を要するデザイン。

和柄
 

和柄やOriental Design(オリエンタルデザイン)とも呼ばれるこれらのデザインは、ハワイと日本の繋がりの深さを感じさせる。縮緬素材にオーバープリントの作品が多く、色のグラデーションを活用して動物や風景などをリアルに表現している。